弊法人がプロデュースする「Japan Expo Paris」の公式パビリオン「WABI SABI」には、毎年テーマが設けられています。パビリオン内はテーマにそった装飾で彩られ、来場者向けにつくられたフランス語での解説とセットで造形が楽しめるようになっています。
実際に会場を訪れたゲストのみが目にできる解説を、今回は日本語でお披露目します!
今年のテーマは「藍」です。
染料となる植物「藍」の歴史は古く、紀元前3000年とも6000年ともいわれています。
エジプトでは藍染めの布が巻かれたミイラが見つかり、中国の歴史書『魏志倭人伝』には藍で染めた絹織物が魏王に贈られたと記述があるなど、有史以来、世界で最も愛されている色であることがわかります。
藍色の別名は「ジャパンブルー」。鎌倉時代、濃い藍色を「褐色」と呼び、「勝色」(勝利の色)として縁起を担いでいました。武士は刀装具に好んで藍色を使っていたことが知られており、現在も剣道着などに採用されています。
江戸時代に最盛期を迎えた藍染めは、今も製法や技術が職人に受け継がれ、日本古来の浴衣やのれんなど方々で親しまれています。私たちがよく知るファッションアイテム、デニムもそのひとつ。東京オリンピック・パラリンピックの公式エンブレムに藍色が採用されたことも記憶に新しいところです。
今年のWABI SABIのテーマは「藍」。
藍のようにいつの時代も人々の生活を厳かに彩り、愛され続ける存在であるよう願いを込めて。深海や宇宙に想いを馳せるような美しいパビリオンで今年も皆様をお迎えします。
「藍」のパビリオンがどのようなものになるのか、間もなく始まる会期をお楽しみに!
会期:2024年7月11日(木)~7月14日(日)4日間
会場:パリ、ノール・ヴィルパント展示会場
>>Japan Expo Paris公式ホームページ
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