「World Art Dubai 2020」会場内の様子
2020年10月、ジャパンプロモーションは2017年より展開中の日本文化発信事業・JAPAN TIDEの一環として、アラブ首長国連邦・ドバイにて開催された国際アートフェア「World Art Dubai 2020」に参画し、同アートフェア内最大規模のフロア面積を有するジャパンアート専門ブースを展開しました。
これまで毎年4月に実施されてきた同事業ですが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けアートフェアの会期が延期されたことに伴い10月へ移行。
長い自粛期間を経て迎えた会期初日、会場には芸術活動の再開を待ち望んだ多くのアーティスト、アートファンの笑顔がありました。
感度の高いアートファン、カルチャーファンが他ならぬ逸品との出会いを求めて多数来場
国をあげた一大プロジェクト「Expo 2020 Dubai(ドバイ国際博覧会2020)※」の開幕に向け、世界中からその動向が注目されるドバイ。
中東経済のハブとして確固たる存在感を示し続けるこの地で開催される国際アートフェア「World Art Dubai」には、毎年世界各国から様々な分野のプロフェッショナル、アーティスト、ギャラリスト、そしてアートファンが集います。
本年ジャパンプロモーションからご出展いただいたのは、総勢31組の個性豊かな日本人アーティストの皆様。日本ならではの美意識を独自に昇華し、湧き上がる思いと共に作品表現へと落とし込んだ彼らのエネルギーによって、ブースは連日独特の熱気に包まれました。
※新型コロナウイルス感染拡大の影響に鑑み、会期を約1年後の2021年10月に変更。
日本人ならではの繊細な感性が光る手彫りガラス作品は多くの来場者の目を釘付けに
揺るぎない精神性を伝える繊細で美しい作品の数々
「この日を楽しみにしていた!」という来場者の声が多く聞かれた
マスク着用など徹底した対策の下3日間の会期が無事に執り行われた
会場となったDUBAI WORLD TRADE CENTREにとって、「World Art Dubai 2020」は新型コロナウイルスの渦中でイベント中止が相次いだ春から夏を乗り越え、ようやく迎えたイベント再開の第一歩。初日のオープン直前には例年と異なる緊張感が会場全体を包み込みましたが、来場者数は予想を上回り、厳しい状況下ながらも入場チケットは初日で8割以上の売れ行きを記録したそう。
会場では人々が安心してイベントを楽しめるよう、全来場者の手指消毒は勿論、ブースの入場人数制限や紙チケットの廃止などウイルス感染防止のための様々な対策が導入されていました。
場内のあちこちで見られた手指消毒スタンド
また、「コロナによって奪われたアート展」と銘打った2020年ならではの企画展示も行われるなど、世界を襲ったウイルスの脅威と真摯に向き合い前進していこうというドバイ国民の熱い思いが各所に滲むイベントとなりました。
マスクをする人を題材にした絵が多く見られたのも2020年ならでは
「どこにも出かけられずストレスが溜まっていた」「コロナ後初の国際文化イベント、是非とも行きたいと思っていた」など、訪れた来場者からはこの日を迎えられた喜びを実感する声が多く聞かれました。
WAD名物のライブペインティング。巨大なサンドアートは人々の注目の的に
会場内にはDJブースも設置され賑わいを見せた
バーチャルではなくリアルなアートに触れられる喜びを実感した3日間
WADを主催するDUBAI WORLD TRADE CENTREの総裁・Helal Saeed Al Marri 氏(中央男性)
ジャパンプロモーションブースには、Dubai Cultureファインアート部門ディレクターのKhalil Abdulwahid Hassan氏をはじめ、現地で活躍する人気アーティスト・Ahmad Rukni Al Awadhi氏やFaisal Abdul qader氏、フォロワー3.6万人の人気インスタグラマーでありクラフトワークアーティスト、そして大の親日家でもあるFatma Rashed氏など中東の芸術文化シーンをけん引するゲストが数多く来場。ジャパンアートに宿る瑞々しい感性に大きな関心を寄せました。
また、オープニングにはDUBAI WORLD TRADE CENTREの総裁を務めるHelal Saeed Al Marri 氏も会場を訪れ、待ちに待ったイベントの開催を祝福しました。
熱心な眼差しで日本人アーティストとアート談義を交わしたFaisal Abdul qader氏
Dubai CultureディレクターのKhalil Abdulwahid Hassan氏(左)も美しさを堪能した版画作品
中東と日本の文化交流イベントを多数主催する親日家のAmna AlDarmaki氏(右)も友人らと共に来場
洗練された美意識が多彩な表現法で具現化されたジャパンアートの数々に、来場者からは称賛の声が多く集まった
ジャパンプロモーションブースを彩った個性豊かな作品の数々。多彩なジャンルと感性が呼応し合う独創性に富んだ空間は連日多くの人々を惹きつけ、3日間の会期を通じて大きな反響を呼びました。
作品購入に意欲的な来場者も多く訪れ、複数の作品が熱心なコレクターたちの元へと渡ってゆきました。
ご夫婦で連日来場し、ビビッドなフォトアート4点と墨彩画、デジタルアートなど計7点の作品をまとめて購入。
「玄関に飾る作品を探していたんです!」
購入いただいた作品をご自宅エントランスに飾っていただいた様子(一部)
「桜」がテーマの墨彩画を購入したのはウクライナ出身の女性。「作品に滲む優しさ、美しさに魅了されました」
こちらのお二人も水墨画を購入。今年は日本の墨への注目がアツい!
目にも鮮やかなポップアートはフランス出身のご家族に刺さった模様
アーティストが自身の作品を持ってランウェイを歩く「アート・ランウェイ」に日本人アーティスト(右)も参加
「World Art Dubai」では毎年、作品展示のほかにもライブペインティングやDJブース、アート・ランウェイなど、他のアートフェアでは見られない華やかなパフォーマンスが多数実施され、来場者を盛り上げます。
なかでも人気を集めるのがワークショップやアートトークといった、アーティストと来場者が直接交流を深められる体験型イベント。本年はジャパンプロモーションから2名のアーティストが講師として登壇し、熱い注目を集めました。
◎ワークショップ
日本画家による写仏ワークショップでは、瞑想のための呼吸法に始まり、筆の持ち方、線の引き方などがその真意と共に一つひとつ丁寧に指導されました。イベントは一時超満員となるなど大きな反響を呼びました。
◎アートトーク
アートトークでは、作品制作を通じて自身の哲学を表現するアーティストによる講義を実施。参加者がじっと聞き入るなか、壮大なアート構想が力強い言葉で語られました。
日本のアートがナンバーワンに輝く快挙!
このたびジャパンプロモーションよりご出展いただいたアーティストが、世界20か国を超える国々から参加した120 組以上のギャラリーやアーティスト、2000 点を超える作品のなかから主催者およびイベント専属のキュレーターらによって毎年発表されるアワードにて、なんと最高賞となる「最優秀作品賞」を受賞!
独自の哲学を具現化した巨大なブロンズ彫刻が立ち並ぶ展示ブースは、来場者そして主催者の視線を独占し、このたびの受賞が実現しました。本当におめでとうございます!
深い思想を反映した重厚なブロンズ像は連日多くの人を魅了した
お気に入りのフォルムを見つけて写真に収める人の姿も多数
「Abu Dhabi TV」撮影チームによるジャパンプロモーションブース取材の様子
日本人アーティストの活躍は現地メディアからも注目を集めました。
アブダビの国民的番組「Abu Dhabi TV」チームによるブース全体の取材は10月12日(月)の放送にて紹介されています。
معرض فنون العالم بدبي ، منصة عالمية للارتقاء بمشهد الفنون المحلية والعالمية تحت سقف واحد#علوم_الدار
تقرير : سوسن آل رحمة pic.twitter.com/UdjsFNcdCd— علوم الدار (@oloumaldar) October 11, 2020
10/12放送「Abu Dhabi TV」より。ジャパンプロモーションブースの様子は0:45, 1:05, 2:25にて。
その他にも多数のメディアにて日本人アーティストの活躍が紹介されました。その一部を紹介します。
◎テレビ放送 ※()内はジャパンプロモーション出展アーティスト出演時間
●Dubai TV
(0:54~)
●Al Ghad TV
(0:23~, 1:12~)
●Fujairah TV
(0:49~, 0:52~, 1:42~)
・ARAB NEWS JAPAN:イベント全体およびジャパンプロモーションブースに関する記事を掲載(日本語版)
・Al Roeya Media:ジャパンプロモーションブースの展示風景写真を掲載
・The National:ジャパンプロモーション出展アーティストと来場者の交流を写真で紹介
・Khaleej times:アワード受賞者としてジャパンプロモーション出展アーティストを紹介
・Al Bayan Newspaper:ジャパンプロモーション出展アーティスト最優秀作品賞受賞に関する紹介文を掲載
次回のJAPAN TIDEにどうぞご期待ください!
異例の事態のなか迎えた「World Art Dubai 2020」でしたが、ご出展いただいたアーティストの皆様と作品のパワーに支えられ、おかげさまで盛況のうちに幕を下ろすことができました。
まだまだ世界各国で先の見えない状況が続いていますが、アートには人々の魂を救う力がある、そんなことを確信させてくれる素晴らしいひと時となりました。
ジャパンプロモーションでは、各分野において急激な発展を続けるUAEにて一人でも多くの方にジャパンアートの魅力を知っていただけるよう、今後も様々な事業展開に尽力してまいります。ご期待ください!