一般社団法人 ジャパンプロモーション ―日本文化とその担い手の活動を支援する
オープニングのテープカットを行い、会場全体を視察したUAE王族のH.H Sheikh Hasher Bin Maktoum Al Maktoum殿下（中央）
2019年4月、真夏を思わせる力強い太陽光が辺り一面に降り注ぐUAE・ドバイにて、ジャパンプロモーションが手がける日本文化発信事業・JAPAN TIDEが実施されました。
本年のJAPAN TIDEでは、日本ならではの美意識と巧みな技が光る上質で多彩なジャパンアートをUAEの市場に向けて広く紹介するべく、中東最大規模のアートフェア「World Art Dubai 2019」への参画を軸に、ドバイ各所でイベントを実施しました。
各国から多くのアートファンが訪れた2019年JAPAN ZONE
2020年のドバイ万博に向け、世界的な注目がますます高まるUAE・ドバイ。
中東経済のハブとして急激な成長を続け、「世界で最もダイナミックな市場の中心」とも言われるUAE最大の都市で開催される「World Art Dubai」には、良質なアート作品との唯一無二の出会いを求めて、毎年世界各国から多くのアーティスト、ギャラリスト、芸術愛好家が集います。
ジャパンプロモーションでは、同イベント内最大規模のジャパンアート専門ブース・JAPAN ZONEを展開し、選び抜かれた全25組の日本人アーティストによる約200点の作品を発表しました。
日本の書道はUAEでも安定した人気
京都の伝統・西陣織を用いたテキスタイルの繊細な美しさも話題に
伝統の技と現代的な感性が響き合うジャパンアートの数々
世界各国から熱心なアートファンが集結
「日本の美」に彩られた空間は来場者のフォトスポットに
アートを通じた豊かな国際交流が多数実現
JAPAN ZONE出展アーティストと交流を深めたH.H Sheikh Hasher Bin Maktoum Al Maktoum殿下
会期初日の3日（水）には、UAEの王族でドバイ情報局のジェネラルディレクターを務める H.H Sheikh Hasher Bin Maktoum Al Maktoum殿下が来場。
開幕を記念しテープカットを行った後、場内を視察しました。
Sheikh Hasher殿下はJAPAN ZONEにも足を運び、「これが“日本の伝統”なのですね。実に美しい」と朗らかな笑顔を見せました。出展アーティストにも自ら声をかけ、固い握手を交わすなど、貴重な交流の場が実現しました。
その他にもDubai Cultureファインアート部門ディレクターのKhalil Abdulwahid Hassan氏や、Sheikh Mohammed Centre for Cultural Understandingのセンター長を務めるRashid Al Tamimi氏などドバイの芸術文化を担う要人が数多く訪れ、多種多様なジャパンアートに熱い眼差しを向けました。
Rashid氏は親日家としても知られる人物で、センターへの日本人観光客誘致は勿論、現在では日本～ドバイ間のアウトバウント・インバウンドに関する事業運営にも携わっています。
「Dubai Culture」のKhalil Abdulwahid Hassan氏（右から3番目）は、UAEで活躍するアーティストらと共に来場
親日家のRashid Al Tamimi氏も、ジャパンアートの魅力をじっくりと堪能
UAEの王族をテーマとした作品を取り扱うギャラリーも多く、毎年高い人気を誇る
その他多くのアート・文化関係者が連日会場に姿を見せた
JAPAN ZONEを彩った個性豊かな作品群は、4日間の会期を通じてそれぞれが多くの反響を呼び、ほかならぬ逸品との出逢いを果たした愛好家たちの手に渡ってゆきました。
気に入ったアーティストの作品を3点まとめて購入したドバイ在住イギリス人家族。
日本的な感性に共感し、過去のJAPAN ZONEにも足を運んでいただいていたという筋金入りのジャパンアートファン。
般若心経を題材とした截金作品を購入したのは、般若心経を読むのが日課というドバイ在住の日本人男性。
“縄の結び目”がテーマの油彩画を購入したドバイの金融ビジネスマン。
「この作品をオフィスに飾って、チームの団結力を高めたいと思ったんです」と笑顔でコメント。
サウジアラビアの企業に勤める男性も、気に入ったアーティストの作品を2点まとめて購入。
繊細な技巧と、少女の日本的な顔立ちにご夫婦共々魅入られたそう。
古銭をモチーフにしたメダルも、その独特の存在感と一つひとつに込められたメッセージが注目を集め、連日の売上げを達成。
ファッションアイテムとしてコーディネートを楽しむ女性たちの姿も。
沢山のオーディエンスが見守るなか行われた書道パフォーマンス
3日（水）夜のVIPゲストを対象としたオープニングパーティーでは、JAPAN ZONE出展の書道アーティストが、独自に磨き上げてきた匠の技を披露。
3×5mの巨大な壁面を使ったステージで、書とアクリルを使った絵画表現が一体となった優美なパフォーマンスを見せ、真剣な表情で見守る多くの観客を圧倒しました。
生き生きとした絵画表現と大胆で力強い書の融合
また、会期中には出展アーティストたちによるワークショップも続々と展開。JAPAN ZONEからは3組のアーティストが講師として参加しました。
参加者それぞれの個性が爆発した書道パフォーマンス
漢字の成り立ちを学びつつ体験もできる書道ワークショップには、予定数を大幅に上回る参加希望者が殺到。各々の感覚を研ぎ澄ませながら「花」の一文字に挑みました。
参加者のなかには、アラブ書道家の姿も。ワークショップ後には指導の御礼として、講師役を務めたJAPAN ZONE出展アーティストの名前をアラビア書道で書き記してプレゼントするなど、豊かな国際交流が生まれました。
「DUBAI」をテーマに切り絵にチャレンジ！
切り絵のワークショップにも、老若男女問わず多くの参加者が詰めかけました。
ワークショップに参加し、切り絵の面白さに目覚めたという女性には、「今後もぜひチャレンジし続けてほしい」とアーティストから私物の制作用キットが贈られました。
“美しさ”に対する感度の高い女性から熱い支持を集めた金箔ワークショップ
仏画師による、金箔を使ったワークショップも大いに賑わいました。開始の2時間前から参加列ができ始めるという盛況ぶりで、参加者は様々な形に切り取られた金箔を好きな形に張り合わせ、スマートフォンケースやフォトフレームに自分だけの模様を描き出しました。
「日本ならではの感性を新しいビジネスに繋げたい！」とJAPAN ZONEの視察に訪れたドバイの貿易会社社長
会期中には、作品販売のみならず、このたびJAPAN ZONEへご出展いただいたアーティストの皆様のさらなるご活躍に繋がるオファーも多数実現しました。
その一部を紹介します！
≪ シャルジャ書道イベントへの招待 ≫
シャルジャで開催される書道イベントに日本代表として参加してほしい、と主催のカリグラフィーアソシエーションからJAPAN ZONE出展の書道アーティストへ出演依頼が寄せられました。
≪ Webギャラリーでの作品公開・販売 ≫
世界中の良質なアート作品を集め、公開・販売を行うサウジアラビアのWebギャラリーより、所属アーティストとして契約を結びたいとJAPAN ZONE出展の日本画家へオファーが届きました。
≪ 作品の魅力を活かした新たなビジネス展開 ≫
このたびJAPAN ZONEに出展されたテキスタイル作品を見たドバイの貿易会社社長より、同様の素材・技法を活かした高級ラッピングペーパーを制作し、新たなビジネスを展開していきたいとご提案をいただきました。
≪ 世界各国のアートフェアへの出展オファー ≫
4日間の会期を通じて、JAPAN ZONE出展アーティストたちにはメキシコ、マイアミ、香港、深セン、モーリシャス諸島など、世界各国のアートフェアへの出展依頼が多く寄せられました。
≪ UAEのアートブックへの作品掲載 ≫
世界の一流アートを集めたアートブックにJAPAN ZONE出展アーティストの作品を掲載させてほしい、と出版元のアートアソシエーションからオファーが届きました。王室への献上品としても知られる、UAEアートシーンにおいて重要な意味を持つ一冊です。
会期中は現地渡航した日本人アーティストへの取材が相次いだ
「World Art Dubai 2019」及びJAPAN ZONEの盛況ぶりは、現地メディアからも注目を集めました。
「Al ulum Al darl」（Emirates TV、39:05～）では会場全体を紹介。JAPAN ZONEの様子も。
「Al yum」（Alhora TV、44:57～）では女性アーティストにスポットを当てた特集を放送。
JAPAN ZONE出展の女性日本画家の姿も取り上げられました。
＞＞Instagram「#worldartdubai」
Instagramの盛り上がりが世界随一と言われるドバイならではの、「#worldartdubai」タグの盛り上がりも必見です。
会期中は多くのメディアがJAPAN ZONEの取材に訪れた
気に入った作品をスマートフォンで撮影し、その場ですぐSNSに投稿する来場者の姿も多数
上質な時間を演出するLe Meridien Dubai Hotel & Conference Centreメインロビー
「World Art Dubai 2019」終了後、JAPAN TIDEは舞台をドバイ有数の一流ホテル「Le Meridien Dubai Hotel & Conference Centre（ル・メリディアン・ドバイ）」に移し、宿泊客やラウンジで商談を行う外交官など、日々世界各国から多くの人々が訪れ行き交うホテルのメインエントランスロビーにて、日本人アーティストによる作品の展示販売を実施しました。
圧倒的な存在感を示す2体のオブジェがゲストをお出迎え
ロビーの中央に現れたのは、哲学的な概念のもとに創造された2体の黄金のオブジェ。ホテルの顔として機能するエントランスの壇上に作品が設置されると、瞬く間に人々の視線が集中しました。作品は、豪華絢爛なロビー空間により一層の華やぎをもたらした様子。
ホテル利用客からは、「アラブの風景がモチーフになった大作、実に素晴らしい！我々アラブ人の思考や好みをよく理解された作品だと思います。次回アーティストがUAEに来られた際には、ぜひとも砂漠などUAEの大自然を堪能していただき、さらなる表現に繋げていただけたら」など、称賛のコメントが寄せられています。
作品に目を留め、絶賛の言葉を口にしたUAEのビジネスマン
国際的な商談の場としても多用され、連日多くの人々が行き交う
ドバイを代表する五つ星ホテル×ジャパンアートの夢の競演
日本文化発信事業・JAPAN TIDEは、ご出展いただいたアーティストの皆様と作品のパワーに支えられ、おかげさまで4年目の春を無事終えることができました。
「World Art Dubai 2019」の会場で出会ったゲストの中には、過去にJAPAN ZONEで作品を購入された方や、「日本が大好き！JAPAN ZONEを毎年楽しみにしています」と話す熱心なリピーターの姿も多く、同イベント及びUAEにおける日本の芸術文化は、着実に存在感を増しているといえるでしょう。
ジャパンプロモーションでは、今後も中東を舞台に様々な日本文化発信事業を展開、より一層の盛り上がりを見せてまいります。ご期待ください！
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