2017年4月。新しい季節を迎え、日本各地から桜の便りが届き始めた頃、アラブ首長国ドバイにて、ジャパンプロモーションが手がける中東初の総合的な日本文化発信事業「JAPAN TIDE(ジャパン・タイド)」が開幕しました。
JAPAN TIDEは、日本・ドバイ両国の継続的な文化交流の活性化を目的とした、中東初の総合的な日本文化発信事業です。2020年のドバイ万博および東京五輪を視野に入れ、毎年春の実施を予定しています。
当事業では、短期間で目覚しい経済成長を遂げた中東ドバイを舞台に、長い歴史に育まれた日本の伝統美術・工芸品から、日本の美意識を活かした現代アート、テーブルウェアまで、魅力的なジャパンアートを広く紹介するべく、異なるコンセプトを持つ4つのイベントを展開しています。
4月6日(木)、JAPAN TIDEの幕開けを飾る第一のイベント「JAPAN TIDE PRESENTATION」がスタートしました。
本プロジェクトでは、厳選された日本の現代美術・工芸の逸品を現地メディア、文化関係者、アートファンに向けてグループ展という形式で紹介。中東において未だ馴染みの薄いジャパンアート・カルチャーの生きた魅力は、訪れた人々に新鮮な驚きと感動をもたらしました。
ジャパンアートの深い感性に触れた来場者たちによるアート談議も白熱
日本の繊細で豊かな色使いは海外でも人気が高い
会場となったのは、UAEにおいて最も歴史のある文化機関・Art Hubが運営するArt Hub Dubai Gallery。展示作品それぞれの魅力を引き立てる洗練された空間づくりで現地のアート関係者からも高い評価を受けるドバイ有数のギャラリーです。
同ギャラリーはアート・デザイン関係の施設だけでなく、ファッションや食など、ドバイの最新カルチャーに触れられる感度の高いエリアとして知られるDubai Design District、通称「D3(ディー・スリー)」内に位置しています。
ドバイの新たな流行発信地として注目される「D3」
ドバイから世界を舞台に活躍するアーティストやデザイナーの発掘・育成を目的とし、ムハンマド・ドバイ首長指揮のもと2013年に発足した「D3」構想は現在進行中であり、同エリアには今春以降もさらに多くの施設が完成する予定となっています。
ドバイカルチャーの未来を牽引するフレッシュな感性とエネルギーに満ちた「D3」は今後ますますの賑わいをみせること必至。同エリア内で多彩な企画を連日発信するArt Hub Dubai Galleryにもさらなる注目が集まることが予想されます。
6日(木)に行われたオープニングセレモニーは、ゲストのモロッコ人アーティスト、ラミア・メンハル氏によるテープカットで華々しく幕を開けました。
画家として、ドバイを拠点に世界中で活躍するモロッコ人アーティスト・ラミア氏。
ジャパンアートならではの繊細な表現力に大きな刺激を受けたと話す。
会場にはさまざまな文化人ならびに美術関係者が多く足を運び、軽食のもてなしや、日本神話をテーマとした幻想的な舞踊パフォーマンスを思い思いに楽しむ様子が見られました。
セレモニーは終始華やかなムードで進行。多様性に富んだジャパンアートひとつひとつとじっくり対峙した来場者からは、日本の芸術文化に対する強い興味関心を窺わせるコメントも数多く寄せられました。
圧倒的な世界観で来場者の心を掴んだ神話ポップスシンガーの・エコツミ・
セレモニーには、UAEの前石油相であるマーナー・オタイバ氏を筆頭に数々の要人を輩出する名家・オタイバ家のファミリーも来場
「JAPAN TIDE PRESENTAITION」では、3日間の会期を通じて、日本の現代美術・工芸の魅力を中東アート市場に向けて力強くアピールしました。
会期:2017年4月6日(木)~8日(土)
会場:Art Hub Dubai Gallery
続く4月12日(水)からは、中東を代表するアートの祭典「World Art Dubai (ワールド・アート・ドバイ)」がスタート。ジャパンプロモーションはイベント内最大規模となる日本専門ブース「JAPAN ZONE」を展開し、300点以上の作品群を紹介しました。
同イベントには「JAPAN ZONE」を含む全30カ国150ブースが出展。国際色豊かな色とりどりのアートで訪れた人々を魅了しました。
多様な文化が一堂に会する圧巻の展示スペース
会場は自由な心で芸術を楽しむ人々で溢れかえった
ここでしか出会えない魅力的なアート作品が多数
初日の会場には昨年に引き続きシーク(UAEの王族)が来場し大きな注目を集めました。侍史を伴い会場に現れたシークは「JAPAN ZONE」エリアの前でも足を止め、厳選されたジャパンアートの数々に目を輝かせました。
JAPAN ZONEブースにずらりと並ぶ作品群に強い関心を示したシーク
背筋の伸びるような緊張感漂うなか、各作品やブースのコンセプトに関するシークとジャパンプロモーションスタッフによる貴重な意見交換も実現しました。
また、ムハンマド・ドバイ首長の娘で、ドバイ文化アート庁の副長官を務めるラティファ王女も「JAPAN ZONE」を来訪。
緻密な技が光るジャパンアートひとつひとつに鋭い眼差しを向け、時折納得したように小さく頷きながらブース全体をじっくりと吟味する姿が見られました。
スタッフの作品解説に耳を傾けるラティファ王女の貴重な後ろ姿(プライベートでのご来場のため正面撮影はNG)